近未来新都心 Chapter03 NO.07
2007年 10月 10日
「っと、っと・・・」
イーシャが簡易梯子から飛び降りる。その横にはサガトが銃を構え、鋭い視線を周囲に向けていた。
「いやー、しかしコレは驚いたわねぇ・・・・」
イーシャは周囲をぐるりと見渡した。そこは完全にカントリーの地面の下・・・つまりは地下だ。そこに本来あるはずのない機械が立ち並ぶ空間が広がっていた。完全に電力が生きているのか、薄暗かった上層部とは違い照明により明るく照らされている。
「急ぐぞ」
「ちょ、ちょっと待ってよ!」
サガトが油断なく銃を構え、廊下を歩き始める。イーシャもその後に銃を構えながら続いて歩く。
『変な機械が多いところねぇ・・・』
チラチラと視線を周りに向けるが、そこには今まで見たことが無いよう機械が並んでいた。強いて言うなら生態工学の研究に使うような大規模演算装置や空気調整器の類に似ている。
「ねぇ、どこに向かってるワケ?」
目的も言わずに歩き回るサガトにイーシャが不安そうに問いかける。
「とりあえずは安全な場所だ」
「安全な場所?」
これからこの地下施設を探ろうというのに安全な場所とはどういう意味だろう?イーシャが首を傾げる。
「ここはどうやら思った以上に危ないみたいだ。俺の能力でもお前を庇いきれるか分からない・・・」
「な、なーにいってるワケよ!?臆病風にでも吹かれたわけ?」
イーシャがサガトのらしくない態度に慌てて茶々を入れるが・・・
「お前には安全な場所からこの施設にハッキングをかけて、データをかき集めながら俺をサポートしてくれ。ラウルの捜索とここの調査は俺がやる」
「・・・・マジ?」
サガトは気にせずに説明を続けた。
「悪いな・・・だが、ここは本当に危ない。お前の初陣にするには向かない場所だったみたいだ」
イーシャは気づいていないようだが、先ほどからサガトは強い殺気を感じていた。その殺気はこの地下に侵入したときからずっと背後につきまとっている・・・いつ襲いかかってきてもおかしくないほどの強い殺気・・・危険すぎる。恐らくこの殺気を放っているモノがここに調査に来たフリーターと調査員を殺した犯人だろう。だとすればフリーターとしはまだ未熟なイーシャは危険すぎる。それがサガトの結論だ。
「・・・そ、そんなにヤバイところにカヨワイ女の子残していくワケ?」
「少なくとも俺と一緒に居るより安全だ」
「・・・・」
軽口を叩いても相手にされない。イーシャはなにやら不穏空気を感じた。・・・俺と居るより安全?
「ここが良さそうだな・・・・」
サガトが大きなガラスと鋼鉄製の扉のある部屋の前で立ち止まった。
「ここ?だってコレガラスじゃない?」
「特殊強化防弾ガラスだ。簡単には破れないさ」
サガトが扉を開く。ロックは掛かっていないらしく、扉はあっさりと開いた。
「ねぇ、ねぇ・・・マジでここに置いてくワケ?」
「言っただろ?俺と居るよりは安全だってな」
「・・・うう」
ここまで来て、こんな冗談は言わないだろう。つまり本気で危ないのだ。ひょっとするとすぐそこまで敵が迫っているのかもしれない。
『ゾッとしないわね・・・・』
一人で居るのも怖いが、あれだけの戦闘技術を持つサガトが“庇いきれない”と言う弱音を吐いている。ならば従うしかないだろう。それに自分の領分であるコンピューター技能を活かすには定位置でのハッキングするにせよ、情報を提供するにせよ、効率が良くもある。
「分かったわよ・・・がんばるわよ・・・・」
「悪いな・・・通信機はオープンにしておく。もしもの時はすぐに戻ってくるさ」
荷物から弾薬と炸薬、その他必要な物を取り出しながらサガトが言う。
「マジ戻ってきてよね?・・・それと、気をつけてね・・・」
部屋から出て行くサガトの背中にイーシャの不安そうな声が届く。
「ああ、分かってる。ヘマはしない。それじゃあな」
軽く手を上げてサガトは部屋を出て行った。ただ、それが戦いの始まりを告げる合図だったのかもしれない・・・。
イーシャが簡易梯子から飛び降りる。その横にはサガトが銃を構え、鋭い視線を周囲に向けていた。
「いやー、しかしコレは驚いたわねぇ・・・・」
イーシャは周囲をぐるりと見渡した。そこは完全にカントリーの地面の下・・・つまりは地下だ。そこに本来あるはずのない機械が立ち並ぶ空間が広がっていた。完全に電力が生きているのか、薄暗かった上層部とは違い照明により明るく照らされている。
「急ぐぞ」
「ちょ、ちょっと待ってよ!」
サガトが油断なく銃を構え、廊下を歩き始める。イーシャもその後に銃を構えながら続いて歩く。
『変な機械が多いところねぇ・・・』
チラチラと視線を周りに向けるが、そこには今まで見たことが無いよう機械が並んでいた。強いて言うなら生態工学の研究に使うような大規模演算装置や空気調整器の類に似ている。
「ねぇ、どこに向かってるワケ?」
目的も言わずに歩き回るサガトにイーシャが不安そうに問いかける。
「とりあえずは安全な場所だ」
「安全な場所?」
これからこの地下施設を探ろうというのに安全な場所とはどういう意味だろう?イーシャが首を傾げる。
「ここはどうやら思った以上に危ないみたいだ。俺の能力でもお前を庇いきれるか分からない・・・」
「な、なーにいってるワケよ!?臆病風にでも吹かれたわけ?」
イーシャがサガトのらしくない態度に慌てて茶々を入れるが・・・
「お前には安全な場所からこの施設にハッキングをかけて、データをかき集めながら俺をサポートしてくれ。ラウルの捜索とここの調査は俺がやる」
「・・・・マジ?」
サガトは気にせずに説明を続けた。
「悪いな・・・だが、ここは本当に危ない。お前の初陣にするには向かない場所だったみたいだ」
イーシャは気づいていないようだが、先ほどからサガトは強い殺気を感じていた。その殺気はこの地下に侵入したときからずっと背後につきまとっている・・・いつ襲いかかってきてもおかしくないほどの強い殺気・・・危険すぎる。恐らくこの殺気を放っているモノがここに調査に来たフリーターと調査員を殺した犯人だろう。だとすればフリーターとしはまだ未熟なイーシャは危険すぎる。それがサガトの結論だ。
「・・・そ、そんなにヤバイところにカヨワイ女の子残していくワケ?」
「少なくとも俺と一緒に居るより安全だ」
「・・・・」
軽口を叩いても相手にされない。イーシャはなにやら不穏空気を感じた。・・・俺と居るより安全?
「ここが良さそうだな・・・・」
サガトが大きなガラスと鋼鉄製の扉のある部屋の前で立ち止まった。
「ここ?だってコレガラスじゃない?」
「特殊強化防弾ガラスだ。簡単には破れないさ」
サガトが扉を開く。ロックは掛かっていないらしく、扉はあっさりと開いた。
「ねぇ、ねぇ・・・マジでここに置いてくワケ?」
「言っただろ?俺と居るよりは安全だってな」
「・・・うう」
ここまで来て、こんな冗談は言わないだろう。つまり本気で危ないのだ。ひょっとするとすぐそこまで敵が迫っているのかもしれない。
『ゾッとしないわね・・・・』
一人で居るのも怖いが、あれだけの戦闘技術を持つサガトが“庇いきれない”と言う弱音を吐いている。ならば従うしかないだろう。それに自分の領分であるコンピューター技能を活かすには定位置でのハッキングするにせよ、情報を提供するにせよ、効率が良くもある。
「分かったわよ・・・がんばるわよ・・・・」
「悪いな・・・通信機はオープンにしておく。もしもの時はすぐに戻ってくるさ」
荷物から弾薬と炸薬、その他必要な物を取り出しながらサガトが言う。
「マジ戻ってきてよね?・・・それと、気をつけてね・・・」
部屋から出て行くサガトの背中にイーシャの不安そうな声が届く。
「ああ、分かってる。ヘマはしない。それじゃあな」
軽く手を上げてサガトは部屋を出て行った。ただ、それが戦いの始まりを告げる合図だったのかもしれない・・・。
by eternal-d-soul
| 2007-10-10 00:54
| 連載小説:近未来新都心